防衛装備品調達を巡る汚職事件で、防衛専門商社「山田洋行」元専務・宮崎元伸被告(69)が、守屋武昌・前防衛次官(63)の家族名義の口座に振り込んだ現金約400万円について、東京地検特捜部は、守屋容疑者へのわいろにあたるとして、拘置期限の18日にも守屋容疑者を収賄容疑、宮崎被告を贈賄容疑で再逮捕する方針を固めた。 この約400万円の一部が、守屋容疑者の二女の留学費用のほか、息子の借金返済に充てられていたことも判明した。
関係者によると、宮崎被告は、山田洋行の米国現地法人「ヤマダインターナショナルコーポレーション」元社長・秋山収被告(70)に指示し、現地法人の裏金の中から、2004年5月と6月、守屋容疑者の妻、幸子容疑者(56)名義の口座に計2百数十万円、06年2月には二女名義の口座に「留学費用」として百数十万円を振り込んだ。妻の口座に振り込まれた現金の一部は、守屋容疑者の息子の借金返済に使われていた。
振り込まれた現金について、守屋容疑者は調べに対し、「妻が自分に無断で宮崎被告に送金を頼んだ」と供述。幸子容疑者も「私の独断でやった」などと、わいろ性を否認しているという。
一方、宮崎被告は「守屋容疑者側から金額や時期を指定され、送金した。わいろに当たることは分かっていた」と供述しており、特捜部では、守屋容疑者夫婦は、宮崎被告にゴルフ接待だけでなく、現金も要求していたとみている。
守屋容疑者は、次官在任中の03年8月〜06年5月、山田洋行が有利な取り計らいを受けた謝礼と知りながら、計12回、総額約389万円のゴルフ旅行接待を受けたとして逮捕された。特捜部は18日、このゴルフ旅行について、守屋容疑者と宮崎被告をそれぞれ収賄罪、贈賄罪で起訴する見通し。
(2007年12月15日3時7分 読売新聞)